2005/04/01 告知の日 B side
2005年 04月 02日
全国的にエイプリル・フール。
こんな日にガン検診の結果を聞くのは本当に気が進まなかったが仕方ない。
朝、7時前に腰痛で目が覚める。市販の痛み止めを服用。
もうひと眠りして8時起床。
検査結果が出る日なので、かなり緊張しているのか、食欲はない。
どうせよくない結果であればCTやらMRIやらの検査があるだろうし、よい結果であれば宴会をやると決めていたので、食事抜きでT医大へ。
担当のN医師より「痛みはどうですか」「出血は止まりましたか」などの質問のあと、比較的あっさりと
「よくない結果が出ました。ガンの可能性が。。。というよりまず間違いなく子宮頸ガンです」
と告知。
あとは大きさや転移の具合をみてすぐ切るか、放射線でガンを小さくしてから切るかの2択らしい。
横目で診察室にあるパソコンのモニタに表示されている血液検査結果の数値を見て「CA125 8.5」というのがかろうじて読み取れ、ああ卵巣転移はないんだな、などと冷静に考えたりしていた。
内診と触診の結果はわからないがN医師が小さく「ん。大丈夫か」とつぶやくのが聞こえ、かつ「今の状態であれば横へは広がっていないので手術で取りきれると思います」といわれた。
その後CT検査・入院の説明・MRI検査の予約。
おれからの質問は2点のみだった。
「男性との性交渉はもう十何年ありません(うっわ~すげえこと言ってんな、おれ)。それでもなんとかってウィルスが原因のガンになるんですか」
「感染即発症ではないんですよ。ストレスなどで徐々にガンになるんです」
しょぼん。
「で、仕事をやめなければなりませんか」
「いや。その必要はありません(きっぱり)」
そっか。まだそんな絶望的な状態じゃねえのか。
入院1ヶ月は痛いが、なんとか職場の連中には病名を隠しとおして復職してやる。
N医師とさっそく口裏を合わせ、診断書には「子宮腫瘍」とだけ書いてもらうことにする。
CT検査前、妹に電話。検査終了後、友人に電話。ともに結果を正直に伝えた。
職場で上司に報告。
おれに「子宮」などというものが存在していることをすっかり失念していたらしい上司は、それでも誠実に対応してくれたと思う。
1ヶ月の間のピンチヒッターのこと、復職のめどのこと。
本来であれば臨時雇いの派遣社員なので、ここであっさりクビになっても文句は言えない。
「戻ってこられるんですか」
「戻ってきてもいいですか」
とても不毛なおれたちの言葉。
上司の性格からすれば「使えないものはいらない」のである。
そして使えなくなるのであればこの場でそう言ってもらいらいのだ。
しかしこれは驕りでもなんでもなく、おれがいま職場を離れたら仕事は完全に麻痺し、その部署を閉鎖しなければならないような状態だ。
しかし上司もおれの性格を知っている。
「できますか」と聞かれて、絶対に「できない」とは答えられない人間であることを知っている。
「戻ってこられるんですか」
「戻ってきてもいいですか」
「戻ってきてほしいです」
「戻りたいのです」
約束ひとつできないまま、おれは職場に戻った。
おれの不在の1ヶ月、職場を回さなければならない「妻」のもとへ。
こんな日にガン検診の結果を聞くのは本当に気が進まなかったが仕方ない。
朝、7時前に腰痛で目が覚める。市販の痛み止めを服用。
もうひと眠りして8時起床。
検査結果が出る日なので、かなり緊張しているのか、食欲はない。
どうせよくない結果であればCTやらMRIやらの検査があるだろうし、よい結果であれば宴会をやると決めていたので、食事抜きでT医大へ。
担当のN医師より「痛みはどうですか」「出血は止まりましたか」などの質問のあと、比較的あっさりと
「よくない結果が出ました。ガンの可能性が。。。というよりまず間違いなく子宮頸ガンです」
と告知。
あとは大きさや転移の具合をみてすぐ切るか、放射線でガンを小さくしてから切るかの2択らしい。
横目で診察室にあるパソコンのモニタに表示されている血液検査結果の数値を見て「CA125 8.5」というのがかろうじて読み取れ、ああ卵巣転移はないんだな、などと冷静に考えたりしていた。
内診と触診の結果はわからないがN医師が小さく「ん。大丈夫か」とつぶやくのが聞こえ、かつ「今の状態であれば横へは広がっていないので手術で取りきれると思います」といわれた。
その後CT検査・入院の説明・MRI検査の予約。
おれからの質問は2点のみだった。
「男性との性交渉はもう十何年ありません(うっわ~すげえこと言ってんな、おれ)。それでもなんとかってウィルスが原因のガンになるんですか」
「感染即発症ではないんですよ。ストレスなどで徐々にガンになるんです」
しょぼん。
「で、仕事をやめなければなりませんか」
「いや。その必要はありません(きっぱり)」
そっか。まだそんな絶望的な状態じゃねえのか。
入院1ヶ月は痛いが、なんとか職場の連中には病名を隠しとおして復職してやる。
N医師とさっそく口裏を合わせ、診断書には「子宮腫瘍」とだけ書いてもらうことにする。
CT検査前、妹に電話。検査終了後、友人に電話。ともに結果を正直に伝えた。
職場で上司に報告。
おれに「子宮」などというものが存在していることをすっかり失念していたらしい上司は、それでも誠実に対応してくれたと思う。
1ヶ月の間のピンチヒッターのこと、復職のめどのこと。
本来であれば臨時雇いの派遣社員なので、ここであっさりクビになっても文句は言えない。
「戻ってこられるんですか」
「戻ってきてもいいですか」
とても不毛なおれたちの言葉。
上司の性格からすれば「使えないものはいらない」のである。
そして使えなくなるのであればこの場でそう言ってもらいらいのだ。
しかしこれは驕りでもなんでもなく、おれがいま職場を離れたら仕事は完全に麻痺し、その部署を閉鎖しなければならないような状態だ。
しかし上司もおれの性格を知っている。
「できますか」と聞かれて、絶対に「できない」とは答えられない人間であることを知っている。
「戻ってこられるんですか」
「戻ってきてもいいですか」
「戻ってきてほしいです」
「戻りたいのです」
約束ひとつできないまま、おれは職場に戻った。
おれの不在の1ヶ月、職場を回さなければならない「妻」のもとへ。
by jack-dancer
| 2005-04-02 10:42
| 告知まで
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